【企&短】だから、ボクを愛してよ。
「ねぇ、なにしてるの?って聞いてるんだけど」
いつもの声色なのに。
笑顔なのに。
目は笑っていない。
「これは...その...」
「ボクがなに?どうして北山さんを叩いたの?」
「......」
鳴海くんは私の方に歩み寄ってきた。
「ねぇ。ボクに言えないことなの??」
鳴海くんは静かに怒りをあらわにしている。
とうとう開き直ったのか、私を叩いた女子が口を開いた。
「そ、そいつが!鳴海くんを独り占めするから!!!」
「へぇ、そうだったんだ。どうもボクのためにありがとう」
「鳴海くんも、こんな女なんて辞めて「でもね」」
鳴海くんは女子の言葉を遮った。
「ボク、北山さんのこと好きなんだよね」
はっ?えっ!?
「だから...次こんなことしたら、ただじゃ済まさないから」
鳴海くんはドスの効いた声でそう告げた。
その言葉を聞いた女子達は泣きながらこの場を去っていった。