【企&短】だから、ボクを愛してよ。
「......鳴海くん...ありがとう」
鳴海くんが来てくれていなかったら、今頃私はどうなっていたんだろう。
「べ、別に北山さんのこと心配した訳じゃないからね!!」
鳴海くんは耳まで真っ赤に染め、顔を逸らした。
「北山さんならあんなの、1人で退治できるでしょ」
あんなのって...鳴海くんの中の私のイメージってどんなのか聞いてみたい。
「1人では、無理だよ」
「北山さんでも無理なものあるんだ」
「それは失礼だから!」
「はははっ」
「......」
「......」
無言になれば、さっきの鳴海くんの言葉が脳裏を過ぎる。
『ボク、北山さんのこと好きなんだよね』
言葉に現実味がなくて。
あまりにもサラッと言われて。
夢を見ていたんではとさえ思ってしまう。