「 好 き だ よ 」


はてなマーク飛ばしていたら、

──キンコンカンコン♩

予鈴が鳴った。



「じゃあ俺教室戻るね。キャンディーどうもありがとう」


大切そうにポケットに閉まって、ご機嫌なようすで自分のクラスへと帰っていった宇多くん。


そのうしろ姿があまりにも無邪気な少年みたいで、思わず吹きだしそうになる。




「ヒュ〜。青春だね」

「わっ。あっこ」



冷やかしのお手本みたいな からかい方。

ケタケタ楽しげに笑ってくるあっこは、やっぱり恋愛命のオンナ。



「いやあ〜口説かれてますねえ」

「えっ…どこらへんが?」



キャンディー喜んでただけだったけど。



「なーんで分かんないのさ。言葉にしない好きをあんなにまっすぐ伝えてたのに?もーさ、最近私宇多くんが愛くるしくてなんの。泣けてくるんだわ、可愛くて」

「ええ……」



そんなこと言われましてもね…。


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