「 好 き だ よ 」
◇
「ほら、差し入れ持っていこ!」
「先輩喜んでくれますように〜〜」
そして練習試合が終わるなり、部員の元へと駆け寄る大勢のギャラリーを目で追っていると、
「こっからが本番だよ」
とあっこが目をきらんと光らせた。
「進藤先輩、今日もかっこよかったです〜!」
「これスポドリなんでよかったら!」
「進藤くんタオル使って〜!」
賑わい始めるほうへ目を向けると、既に大勢の女の子から囲まれている、圧倒的人気の進藤先輩の姿。
そんな光景を、ほかの部員たちが慣れた目つきで流すように見ていて、つまんなさそうにぞろぞろ部室へと向かいだす。
「ありがとう。マジで嬉しい」
進藤先輩の眩しい笑顔に、周りのギャラリー、ノックアウト。
みんな頬を真っ赤に染めて、本人いるのに「好き〜…」とか「抱かれてぇ……」とか気持ち漏れててギョッとする。