「 好 き だ よ 」

……ウキョウ先輩??

だれそれ。

頭フル回転させてみるけど……やっぱりだれそれ。



「私あっこの付き添いで来たの。ほら、あっこ」

「えっ」



うしろを振り返って、あっこを指さす。


そしたら、ちょうど進藤先輩とくすくす笑い合うあっこの姿が見えた。ギャラリーはまだまだいっぱいいるけれど、間違いなく今はあっこのターンだ。


いけ! あっこ! ぶちかませ!

そのまま先輩のハート射止めちゃえ!




「……進藤 右京、っていうんだ、あの人」

「え?」

「なんだ。あっこさんいたのか。そっか……」



「焦った…」とかまた訳わかんないこと言って、力が抜けたようにその場にしゃがみこんでしまった宇多くんの表情は、どことなく嬉しそうで。



「……白石さんも、右京先輩応援しに来たって思ったら、気が気じゃなかった。よかった」



そう言って、力なく笑う宇多くん。

< 31 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop