「 好 き だ よ 」
「噂になってるの?」
「そうだよ。いつも売り切れてるの。買えたのすごいね」
「これ差し入れでもらったんだよ」
「えーじゃあくれた人すごいね」
水彩タッチで描かれた、ほんわかしたフルーツのイラストが散りばめられたペットボトルを覗き込んでると、ふとさっきの女の子たちが脳裏に浮かんだ。
「コレ2組の女の子からもらったの?」
「…えっ?あっ、うん。………なんで分かった?」
「試合中名前呼ばれてたでしょ?かわいいなーって、私見てたもん」
「…………ちょっと待って、白石さん試合観てたの?」
「え?うん」
頷くと、宇多くん、一瞬にして顔を真っ赤に染め上げて。
「……俺今日クソみたいなプレイしかしてねえー……」
それからがっくし肩を落とした。