「 好 き だ よ 」
「宇多くん、今日も可愛いね」
「………。 また言ってる。可愛くないから」
宇多くん、一瞬にしてご機嫌ナナメ。
不機嫌そうに眉をひそめて、どうやらちょっと不服なようす。
可愛いって、あんまり嬉しくないらしい。
「褒めてるのになあ」
「好きな子に可愛いって言われて喜ぶ男っているの?」
「え」
「いないんじゃない?」
窺う上目遣い。
見た目と反してまっすぐどストレートな言いぶんに、
そういえば、
この人私のこと好きなんだっけ。
って、ときめきもくそもなく、
他人事に思ってる、サイテーな私。