「 好 き だ よ 」
◇
「え? フッたんだよね?」
お昼休み。
友達のあっこが、なにやら食い気味に声をかけてきた。
「なんのこと?」
「宇多くんだよ、宇多くん」
「あー、可愛いよね」
「あの子なんなん?白石のワンコなの?」
ワンコって。 まあ確かに、犬みたいだよね。
「フラれてもまだ宇多くんが白石にこだわる理由ってなんだろーね」
「私も分かんない。なんか気づいたらお友達になってた」
「のんきすぎるだろ」
おい、と鼻で笑われる。
「なんか可愛いんだよね、宇多くん」
「まあわかる。ほかの男子とちょっとムードちがうっていうか。恋愛対象には入んないけどねえ」
「だよね」