「 好 き だ よ 」




「え? フッたんだよね?」


お昼休み。

友達のあっこが、なにやら食い気味に声をかけてきた。



「なんのこと?」

「宇多くんだよ、宇多くん」

「あー、可愛いよね」

「あの子なんなん?白石のワンコなの?」



ワンコって。 まあ確かに、犬みたいだよね。



「フラれてもまだ宇多くんが白石にこだわる理由ってなんだろーね」

「私も分かんない。なんか気づいたらお友達になってた」

「のんきすぎるだろ」



おい、と鼻で笑われる。



「なんか可愛いんだよね、宇多くん」

「まあわかる。ほかの男子とちょっとムードちがうっていうか。恋愛対象には入んないけどねえ」

「だよね」


< 7 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop