恋愛不満
「てかさ、キャプテンは誰なん?」
私は勝手に廉がキャプテンになるものだと思っていた。けど、違った。
「2組の佐崎奏太(ささきそうた)ってやつ。いくと同じクラスやな、一応。」
えらい爽やかな名前だな。
「んー…誰やろ?1年とき違うからな…」
私は頭を抱え込む。
「…わかった、浜本が好きだった奴だ…多分」
浜本は元私のクラスのトップの女子。私にテストで負けたやつ。
見てくれはそこそこだけど、中身がそれに伴っていない。
「そういえば奏太、浜本に告られたとか言ってたな~
その後は知らんけどな」
「ふーん…」
私は少し上の空になった。
そんな風にしていると、廉が私の前にきてしゃがみこみ私の視界に入ってきた。
「大丈夫か?」
廉は上目遣いで私を見つめる。
「うん、大丈夫」
私は廉の手をとり返事をした。