好きになってはいけない人
そりゃあそうだ。
寝ているトラが私の手を引いたんだから
トラの上に私が体半分かぶさってる状態。
「じゃあこの手離してよ。」
「なんで?」
私の髪の毛がトラにかかってトラは目を細めながら私の腕を握り直した。
そんな状態でさえトラにはドキドキさせられっぱなしだ。
「トラはチナツ先輩の彼氏だし。
チナツ先輩に罪悪感を感じるなんてことしたくないじゃん。
そもそも私たちバイト仲間だし。」
トラの目線が痛くて 見れない。
どうしても目を離さざるおえない。
目を見たらきっと私は吸い込まれる気がするから。