好きになってはいけない人


「あ。カレン!!

ちょっとー教室で待っといてって言ったじゃん!置いてかないでよー。」


チナツ先輩が私を呼び止める声がした。


約束破ろうとしたの私ですけど

チナツ先輩ちょっとタイミング悪いっす。


トラに嘘ついたのがその2秒後には本人にバレちゃった。



「あれ?トラもいるじゃん!
今日委員会で遅れるって言ってなかった?」


チナツ先輩がトラに気づき声をかける。


「委員会の集会 昼休みで終わったんで
どうやらバイト間に合いますね。」



なんだ。予定もう終わってたんだ。

だったら話が早い。

息詰まるこの空間から早く抜け出したい。


「あ、じゃあ私 先行っとくんで。

2人でゆっくり出勤しちゃってください。」


そそくさと逃げようとする私。


「カレン、何言ってんのよ!
行き先一緒なんだから3人で行けばいいじゃん。」


チナツ先輩はそんな私を捉えちゃった。

2人の空間を邪魔したくないので。
とか、言い訳はいくらでも浮かんでくるのに

チナツ先輩にはそんな言い訳も通じそうにない。


しかもさっきからトラの視線が刺さりまくってる。


避けてる事バレたかな?


これ以上ゴチャゴチャ言ってるんじゃねぇぞ?
って目が言ってるよ。




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