好きになってはいけない人
「チナツ先輩。
授業どうだったんですか?」
「え、普通だけど。」
「チナツ先輩のリュック可愛いですね。
新しいの買ったんですか?」
「これ 大分前から使ってる奴。」
「チナツ先輩。
いつも何時くらいに寝ますか?」
「え、12時くらいだけど。」
「チナ・・・「カレン。今日よく喋るね。
なんかあった?」
バイトへの道のり。
3人で歩くのがとても気まずくて
なんとか会話を弾ませようとした結果。
自分で墓穴を掘ってしまった。
そうだろうよ。
だって私普段は無口だし、お喋りなチナツ先輩の話を聴く側なのに。
私としたことが。
緊張しすぎて喋り過ぎた!
「いや、特になにもないです。」
一呼吸して いつものトーンに戻す。
落ち着け私。いつも通り。
「そういえばトラ!」
ビクッ!!!
だめだ。
チナツ先輩がトラにかけた言葉でさえ。
トラ。に反応してしまう自分がいる。