好きになってはいけない人
「本当に好きになった理由はよく分かんないんです。
でも、多分。
彼女さんを大切にしてるところですかね。」
「え、彼女持ち?」
驚いたチナツ先輩はついつい大きな声を上げて言った。
しーっと指で合図をする。
チナツ先輩はコクコクと頷く。
「だから好きなだけなんです。
彼女さんの事を大事にしてる人だから好きになったんです。
半分は憧れみたいな気持ちだったんで
付き合うとかはないんです。」
チナツ先輩に話しながらも
自分に言い聞かせるように言った。