好きになってはいけない人
時間が過ぎるのはあっという間だ。
倉庫の更衣室で着替える間も
お互い無言状態。
「私 先行くね。おつかれー。」
かなり急いで制服に着替え、そそくさと倉庫を出ようとする。
「ちょっと待てよ。送るから。」
ずっと、無言だったらトラが口を開いた。
「いや、大丈夫。1人で平気だし。」
トラといた方が 私の心臓は鳴りっぱなしで逆に居づらい。
「平気ってなんだよ。
昼間 男に抵抗出来なかった奴が強がんなよ。」
ドキン
いきなりその話を出してきた。
悪気もなさそうに。
「抵抗させてくれなかったのはアンタでしょ。
でも、もう怒ってないし。許すから。
トラもあんな事忘れてよ。」