好きになってはいけない人


それだけ言って、ドアノブに手をかける。


ダァン!!


びくっ。


開けようとしたドアを トラに勢いよく閉められ。


いわゆる壁ドン状態だ。


そのままトラに肩を捕まれ。

トラの方を向かされた。

顔を上げたらトラが私を見つめていた。


キ、キスされる。


そう思って 顔の角度を下に向ける。


「許すってなに?別に俺 あんたにキスした事。反省してないんだけど。


むしろ忘れろって言われちゃうと 逆に忘れたくない。

あんたも忘れないような深いキスしてい?」


下を向いた私のさらに下に腰をかがめて。

無理やり目線を合わせようとしてくる。


嫌だ。

そう言う代わりに 首を全力で振った。


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