好きになってはいけない人


「それは好きな奴がいるから?」


ワントーン低くなった声で、耳元で囁かれた。


怒ってるみたいな。そんな声。


コクコクと頷く。


「へぇそんなに好きなんだ。

じゃ俺は辞めてやんねぇよ。」


「ちょ。イヤ!・・・・ぅ・ン!」


ニヤリと笑ったかと思うと 私の唇に噛むつくかのような勢いで。


抵抗しようと出した手も。

トラに掴まれ 絡まれる。


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