好きになってはいけない人
「だって、アンタがキスするから。」
目は見れない。
「そんなに俺の事嫌いか?」
「嫌いとか。そういう問題じゃないじゃん。
トラにはチナツ先輩がいるでしょ?
大切にしないといけない存在なんだよ?
チナツ先輩は私にとっても大切だし。
傷つけてほしくないの。」
「俺の質問にまず答えろよ。
俺の事嫌い?」
トラは私のアゴを手ですくい上げ
私と強引に目を合わせる。
そうされると、私が嘘つけないって知ってるから。
トラの目は私の嘘なんて すぐ見抜ける。
「嫌いじゃないよ。
トラも大事なバイト仲間じゃん。」
そう答えるしかなくなる。