好きになってはいけない人
「うわっ!」
その直後、私の手は強く引かれ。
私のマヌケな声が保健室に響いた。
「声でか。しーーっな?」
手を引いたのは他の誰でもないトラだ。
私はトラが寝ているベッドに飛び込んでいる状態。
崩れた状態を咄嗟に直そうと思えば、それはトラが離さなかった。
顔を少し上にあげれば トラとくちびるがくっつきそうになる距離。
「離してよ。誤解されちゃう。」
私はせめて手だけでもと身をよじる。
「誤解って何の誤解?」
「何の誤解って。そりゃぁ....。」
「お前と俺がそういう関係だって?
でもこの状況だと、彼女がいる俺を
お前が襲ってるようにしか見えないけど?」