ウサギ系幼なじみの溺愛事情【完】
「うん、特に用事はないけど」





「じゃあさ、補習のお手伝いしてほしい」





そう言って蓮は目をキラキラと輝かせていた。





「え、蓮…補習あるの?」


「うん…この前のテスト赤点だったんだよね~」





えっそうなの!?

そんな話、一度も聞いてないんだけど!





元々蓮はそんなに勉強できる子じゃなかったけど…





私はやれやれとため息をついた。





「それで、手伝いって?」


「プリントを20枚やらなくちゃいけなくて、一人だと終わる気がしないから、なっちゃんにも半分やってほしいなーって?」





蓮は上目遣いでこれでもかという、可愛い視線を私に送って来た。





そんな蓮をみて私は言った。





「無理。自分でやれ」





冷たい視線と共に、吐き捨てるようにそう言い返したのだった。
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