ウサギ系幼なじみの溺愛事情【完】
「じゃあさ、目瞑って」


「う、うん」





渉くんに言われた通り、私はゆっくりと目を瞑った。





なんだろう?





「そしたら、幼なじみくんのことを思い浮かべてごらん」





蓮のこと?





「二人で一緒に過ごした時間を思い出して。楽しかったことや、辛かったこと。喧嘩して仲直りした時のこととか。なずなちゃんにとって、蓮くんがどういう存在だったのか」





蓮が私にとってどういう存在…?





蓮と一緒に過ごしてきた日々を思い出す。





初めて出会った日から、今日までの数年間。





数えきれないくらいの思い出で溢れ、二人で過ごしてきた時間は私にとって、かけがえのない宝物だった。





蓮がいなかったら今の私はいないと思う。





お互いがお互いを支えて、一緒に成長してきた。





弟みたいに小さくて可愛かった蓮は、いつの間にか大人になってた。
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