ウサギ系幼なじみの溺愛事情【完】
「あ、髪にごみついてるよ」





そう言って私は背伸びをして、蓮の髪についていたごみを取ってあげた。





「ありがとう、なっちゃん」





蓮は柔らかい笑顔を浮かべた。





「…って、ゆっくりしてる時間なかった!早く出ないと」


「僕、朝ごはん食べてないんだけど?」


「そんな時間ないよ!ほら行くよ」





駄々をこねる蓮の腕を引っ張って、私たちは急いで学校へと向かったのだった。





そして、ようやく学校付近まで着くと、私たちと同様に真新しい制服に身を包んだ、新入生を発見した。





「よかった…これで間に合うね」





久しぶりに走ったせいで、疲れちゃったよ。





息を整える私の隣で蓮は一切疲れた様子を見せなかった。





…蓮って意外と体力あるんだよね。
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