ウサギ系幼なじみの溺愛事情【完】
「この手、離してもらっていい?なずなちゃんの探してた人って俺のことだから」





「なんだよ、また渉目当てかよ」





先輩たちは、チッと大きな舌打ちをすると、ようやく腕を離してくれた。





そして何かぶつぶつと文句を言いながらこの場を立ち去ったのだった。





よかった…助かった…





私はホッと胸を撫で下ろした。





「なずなちゃん?大丈夫?」





そんな私を心配して、渉先輩は眉を八の字にさせていた。





「あっはい!大丈夫です。助けていただいてありがとうございます」





私は渉先輩に心配かけないように笑顔を浮かべると、ペコリと頭を下げた。
< 61 / 241 >

この作品をシェア

pagetop