ウサギ系幼なじみの溺愛事情【完】
「ごめんね、渉くん」


「ううん、大丈夫!えっと、彼氏さん?」





渉くんは少し気まずそうな様子でそう言った。





「えっ!違う違う!幼なじみなの!ほら、蓮っ自己紹介してよ」





「…来栖、蓮」





蓮は聞こえるか聞こえないかくらいの声で、ぼそっと呟いた。





機嫌悪いのかな~?


いつもとちょっと様子が違うし。





「あ、そうなんだ。ごめんね、勘違いしちゃって」


「ううん、大丈夫」





まさか渉くんにまで勘違いされるなんて…


私たちって周りからみたら、そんな風に見えてるのかな?





「それじゃ、俺そろそろ戻るね。またね、なずなちゃん」


「あっうん!送ってくれてありがとう!ばいばい渉くん」





笑顔で見送ると、渉くんは階段を上っていった。
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