新人をナメめてはイケません![番外編あり]
「陽人さん、なんて顔してるんですか」
オムライスを頬張る彼女を見た。
なんて顔ってどんな?
そう心で思いながら「美味いな」そう言うと、目を輝かせる彼女。
話をそらすのは容易い。
俺のことより美紅のことをもっと知りたい。
遠回りしてきた分、縮めたい。もっと。
「オムライス私の得意料理なんですよ。喜んでもらえて嬉しいです」
「……そっか」
……ダメだ。その笑顔は。
いつから好きになったのか。
最初は本当にやる気あんのか?ってくらい厄介な新人が来たなって思ってた。
遅刻はするし、時間気にせず友人と話し込むし、会議サボって電話してるし……。
馬鹿なのに、たまにいいこと言うし、いちいち表情変わるし、俺以外の男と予定なんか立てるし、無邪気に笑う。
いつの間にかムカつくくらい美紅に夢中になってた。
嫉妬だってたくさん。
そういえば、あまりにも頭にきてキスしたんだっけ。
オムライスを半分平らげたところで手を止めた。