新人をナメめてはイケません![番外編あり]
「なぁ」
「……ン?あ、おかわりです?」
「あの時が初めてだった?」
「──んごっゴホッ、……っハイイ?!」
目を大きくさせて口を拭う美紅。
その慌てっぷりに思わず笑ってしまう。
てか、食べカス飛んだぞ……。別にいいけど。
一体なにに驚いたのだろうか。
「なに驚いてんだよ」
「わ、お、驚いてなんかっ!しょ、食事中ですよ!?そっちこそなに変なこと言うんですか!!」
うわー、おもしれ。
これだから苛めたくなるんだ。
頬を赤くさせながらもまたがっつくその姿に笑うとさらに赤くなった顔と目が合う。
「顔、タコみてぇ」
「わ、笑わないでくださいよっ」
「……ほら、こうするともっとタコ」
手を伸ばして片手で両頬を潰した。
唇が突き出された状態の彼女は真っ赤で少し瞳が潤んでる。
「ちょっちょ、にゃにしてんでしゅか」
「ふっ、言葉になってないぞ」
「……」
黙った彼女はいまどんな表情を俺に向けてるのか分かっているのだろうか。
絶対分かってないな。
バカだから。アホだし。
そんな睨んでも逆効果だって知らねぇのかな。