新人をナメめてはイケません![番外編あり]




食べ終わった食器を片付けていると、「あっ」と小さなつぶやき声をそばで聞いた。


横を向けば、バツの悪そうな顔で手をいじってる彼女。




やっぱりこういう姿みるとどうしても苛めたくなる。

やばいな、俺。重症すぎる。





「片付け、やってあげてる」

「か、貸してください!私やります!」

「いいよ、もう終わるから」

「だ、だめ!これは私の役目ですから」

「ふぅん。そうなんだ?」




赤みの引いた頬に再び赤が染まっていくのをみて笑う。


何やら言葉を探しているようだけど、開けかけた口を閉ざして、俺の手から布巾と皿を奪った。





「陽人さんは、ソファで休んでてください。だいたい、陽人さんがいけないんですよ。あんな事、言うから……」



顔は完全には見えない位置からでも分かるくらい、頬を膨らませている彼女。


俺は大きく息を吐いた。


少し手が止まったのを見てなにか勘違いをしている気が垣間見えたが、そこはスルー。



どうせ『飽きられちゃったかな』とか変な心配してるだろうから。




困った彼女だ。
どんだけ可愛いんだよ。


そっとそばを離れソファへ向かう。





が、足が止まってしまった。


予想外な反応に固まる。



視線を下へやると、美紅の白く細い腕が見えた。





「ごめんなさい。一緒に手伝って、ください」



さらに腹部に巻かれてる腕に力が込められた。





「……わかった。やるから」





無に近い声で応えるとスルリと解かれ、背後から作業に入った食器を拭く音が聞こえた。








……今日、俺のキャラ崩壊しそうかもしれない。








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