新人をナメめてはイケません![番外編あり]
《~♪》
やっとエンディングロールに入った。
そう、『やっと』だ。
こんなに映画が長く感じたのは初めてかもしれない。
それもコイツのせいだ。
まったく、よくこれで寝れるよなぁ……。
尊敬するわ。
あれからギャアギャア騒いでた美紅は、いつの間にか寝ていた。
抱きついたまま。
微かに口角が上がってて気持ちよさげに寝ていた。
その間俺は、闘っていた。
画面じゃなく自分の中の何かと。
ハァ。よく学んだよ。
これからは怖そうなモノは一緒に観てはいけないって。
まさか、こんなファンタジーで怖がるなんて思わなかった。
まあ、元からダークな話ではあったけどさ。
魔法使いが出てくるから、大丈夫かと思って確認して、観始めたんだけどな。
そっか。駄目か。
でも、俺的には得だったかな。
満足げに笑いながら未だに俺の胸に埋めたままの美紅の頭を撫でた。
すると、小さな声を漏らしながら顔の向きが変えられた。
うわー……。
もはや俺変態目線で見てしまっているかもしれない。
それはやばいな。
でもな、そうさせてるの美紅だかんな?
なんで、胸に埋めた顔を2回ほどすりつけて、変えるんだ?
それわざと?ほんと襲うぞ?
俺はゆっくり顔を近づけた。