新人をナメめてはイケません![番外編あり]




「んむっ……!」




小さな唇を奪うようにそれを押し付け、ゆっくり押し倒した。


また見開く彼女を一目見て耳元に口を寄せると小さな悲鳴をあげた。



「いまは、効くんだ?」と囁いてみる。


反応は当然で。




「ヒッ……やめてください、よっ」

「寝てる時は気持ちよさそーに笑ってたのに?」

「っ!そ、それはどういう……ッ」



ギュッと目を閉じる姿に堪らず耳を苛める。




「や、だ……っ耳、」

「あのまま寝てしまったのがいけない」

「~~っ、そんなの知りませんよ!だ、だいたい陽人さんの……」



口をつぐんだ彼女は、俺の顔を見ては逸らすを繰り返す。



「俺の、なに?」

「っ、陽人さんの……」



そう言って顔を手で覆う彼女を愛しいと思う。



今まで何人かと付き合ったが、こんなにハマってしまう女はいなかった。



それも今までにないタイプ。


こんなバカ正直な人を愛するなんてな。
とうとう俺の感覚が麻痺ってきたのかと考えたけど、どうもそうじゃないみたいでな。


気付いたら好きになってた。

それが正解かな。



美紅は俺にとって、特別で大切な人。

だから、なにされても許せる気がする。


あ、浮気は許せないけどな。
ま、出来ないだろうけど。


でも、そのくらい俺はお前に惚れてるんだよ。




「早く、言えよ」と邪魔な手をどかそうと触れようとした時。



小さな声で言った。
か細い、もはや、口パクなんじゃないかと思うくらい。



『陽人さんの、……音が、心地よかった、の』




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