新人をナメめてはイケません![番外編あり]




自ら退かした両手から顕になった美紅は、瞳を潤ませ真っ赤な顔をしていた。


なぜか息が詰まった。




こんな、表情どこで覚えたんだよ。

こんな色っぽいの見たことない。




「へ、変なこと言ってすみ、」

「わり。今こっち見ないで」

「!?」

「あと、声も禁止」




だめだ俺。無理。これ以上一緒にいると壊してしまいたくなる。

美紅を、メチャクチャに……。




そっと離れてベッドの端に座る俺に不思議に思ったのか不安な声が聞こえた。



振り向くと目が合う。

とても心配そうに見つめてくる彼女。



「わり、ちょっと暫くこのままでい?いま闘ってるから」

「闘ってる?!」

「そ。だから何もするなよ」




大切にしたいが為に、暫くこの離れた距離で俺の理性を保とうと必死になっているというのに……。




「いやだ」と後ろから抱き締めてきた。





これはわざとなのか否か。

よく、ですます調を無くしてくる時は大体、何かを企んでる。それかもう素でいる時。



気付いていないと思ったら大間違いだ。俺は見通してる。
それ言ったら期待通りの反応が返ってくるのも知ってる。



ああ、もう。





「美紅、それ分かっててやってるの?」

「……」

「俺、いま美紅をメチャクチャにしたいって思ってるから、ああやって言ったんだけど?」





「……別にいいよ?
覚悟は、いつだって出来てますから。というか、いつもメチャクチャに苛められてるから慣れっこです」



ほらな、バカだろ?

俺は別な意味で言ってるんだけどな。





こーゆーとこほんと好きだよ。


加えて自分にも呆れる。






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