新人をナメめてはイケません![番外編あり]
「ここ最近元気ないじゃない?そんなに鬼口くんと一緒にいたかった?」
そう言って笑う先輩に顔を引きつらせる。
「な、なんでここで……出てくるんですか」
平常心を保たせるため、ラーメンをすすった。
心の中はため息が絶えない。
もう、職場のみんなには知られてるんだよね。最悪!
1ヶ月前の自分を今すぐ殴りたい。
部長をみんなで見送った後、思い切り泣いてしまった私。
ああ、思い出したくないのに、嫌でも思い出すあの地獄絵図。
泣きじゃくる私に真凛や茜先輩、仁田くん、その場にいた全ての部署の人が声をかけてきた。
泣くのは家に帰ってからにしようと思っていたのに、部長が、それすらさせてくれないようなことしたんだ。
全ては鬼口陽人がいけないの。
こんなに好きにさせて行ってしまった鬼口陽人に抱き着かれて『頑張れよ』だなんて耳元で言われてしまったんだから。
今まで一番優しさのある声音だった。