【短編集】恋の花咲かせてみませんか?
彼女に最後にあったのは、7月の終わり。
彼女に誘われて行った市の花火大会の時だ。
その日、オレは少し苛立っていた。
仕事中にミスをして、現場監督に怒鳴られてしまったからだ…。
祭りで周りは騒がしく楽しそうな中、不機嫌なオレは彼女との会話もろくにしようとしなかった。
オレの様子がいつもと違う事は彼女も察していたみたいだ。
そんなオレに痺れを切らしたのか、
「どうしたの?楽しくない?」
ぶっきらぼうに聞いてくる彼女。
「…別に。」
素っ気ないオレの返事に少しムッとしている彼女。
正直、祭りを楽しめる気分では無かった。
そのまま、暫く沈黙のまま歩き続けた。
…気まずい空気が、流れていた。