【短編集】恋の花咲かせてみませんか?
「彼女と一緒に帰る約束してるし、昇降口で待ってみるよ。」
さっきまでテンションが高かった友達は、少しシュンっとした様子。
「そっか…。何かごめん。」
「ううん。教えてくれてありがとな。」
友達には別れを告げて、ひとり昇降口へ向かった。
大丈夫。大丈夫。大丈夫……。
アイドル先輩だろうが何だろうが、今は僕の彼女なんだし。
てか、普通彼氏持ちの子に告るのってどういう心境なんだよ。
「……はぁ。」
溜息を吐きながら、廊下の途中で思わずしゃがみこんだ。