【短編集】恋の花咲かせてみませんか?
「珍しいね?」
「ん?」
「手、繋ぐの。」
彼女は、立ち止まり僕の顔を覗き込んできた。
「何かあった?」
あぁ…。
僕、カッコ悪い。
「…何もないよ?」
「嘘。どうしたの?」
放課後の廊下。
僕ら2人を通り越して行く生徒の視線が痛い。
「…ちゃんと断ったよ?」
「え?」
「生徒会長に呼び出されたけど、ちゃんと断った。私には大好きな彼氏がいますって。」
「っっ。」
思わず顔が赤くなる。
彼女が握っている手の力を少し強めた。