【短編集】恋の花咲かせてみませんか?
「っえ?」
メッセージを見て、急に黙った私を不思議そうに見てくる皆。
「どうしたの?変な事書いてあったの?」
キャプテンが心配して、私の顔を覗き込む。
「……。」
私の目が潤んでいるのを見たキャプテンが、私の手にあるメッセージを読んだ。
「『お互い頑張ろうな!応援してる!』」
明らかに後輩の女の子の書いた字とは違う、ちょっといびつな男の子の字。
キャプテンが、
「この、リア充ー!!」
笑いながら私をからかうと、皆が一斉にキャーキャー騒ぎ出す。
「彼氏からの応援メッセージとか、後輩やるー!」
「てか、うちらの中で彼氏持ちが1人ってのが泣ける!」
「やっばい、サプライズ最高だね!」
私も一緒になって、笑う。
高校生活最後の高総体。
頑張ろう!
メッセージをお守りに戻し、ギュッと握りしめた。
「お守り。」完