隣人が世話焼きな件について


「佳香ちゃんいらっしゃい。もうすぐ出来るから座って待っててね」


キッチンから顔を覗かせこうちゃんのお母さんがいつもの笑顔を見せる


ダイニングテーブルにこうちゃんと並んで座り待っているとすぐに恵美子さん特製ふわとろオムライスが出てきた



「いただきます」と言ってスプーンで一口分すくって口に運ぶ


「ん〜やっぱり恵美子さんの作ったオムライス最高〜」


「佳香ちゃんがいるとご飯も楽しいわね」と微笑みながらオムライスを食べる恵美子さん


微笑む顔はこうちゃんとそっくりだ





他愛ない話をしながらオムライスを食べる




オムライスも残り二口程となった頃

「佳香、食べ終わったら忘れないうちに履歴書を書こうか」


先に食べ終えたこうちゃんの言葉に履歴書を書くことを思い出した


説明会に申込んでもう満足していたけど、そう言えば持ち物に『履歴書』と記してあった


「うん!」


残りのオムライスを急いで食べて、食器をキッチンへ運び、美恵子さんに「ごちそうさまでした」と言って私の家に戻る





自分の部屋の机の上に置きっぱなしにしてあった履歴書とボールペンを持ってこうちゃんが待つダイニングへ行く


ダイニングテーブルではこうちゃんがノートパソコンを立ち上げていた


向かい側に座るとパソコンのデスクトップから私の方へ目線を上げて「少し仕事するね」と断りを入れて再びパソコンに目線を落とす



こうちゃんは基本的には土日休みだけど、こうして急遽仕事が入ることもあるし、土日にしか入れられない仕事もあり、出勤することもたまにある


大変そうだけど、いつもとっても楽しそうに仕事をしている



こうちゃんが仕事をしている間に履歴書を書いてしまおうと思い、袋から1枚取り出し書き始める



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