隣人が世話焼きな件について



自社説明会当日は緊張して眠れない…なんてことはなくよく眠りいつものようにこうちゃんに起こされた


こうちゃんが恋人になってからはちゃんとパジャマで寝ている




「緊張してる?」


朝食を食べながらこうちゃんがいつもの微笑みをくれる


「うん」


緊張でいつもの美味しい朝食の味を感じない


「俺も入社試験は緊張したよ。」


こうちゃんの言葉に顔を上げる

こうちゃんでも緊張することがあるんだ


「みんな緊張してると思うよ。」




そっか入社試験で緊張しないなんてないんだ…




「筆記試験は最低限の知識を持ってるかを見るだけだから、佳香ならいつも通りやれば大丈夫だよ」



こうちゃんの『大丈夫』って言葉には魔法の力でもあるんだろうか


少し気持ちが楽になった



美味しい朝食を食べ終えて仕事へ行くこうちゃんを見送り、スーツに着替える



持ち物の最終チェックをしていざ出発!









最寄り駅から電車で4駅目で降りて徒歩5分のところにある本社で説明会が行われる



10分前に到着したそこはまだ新しいが三階建てのそんなに大きくはない建物で向かって右端の方にひっそりとあるガラス戸が入口になっているようだ


入口の横には『説明会会場は三階です』とだけ書かれた小さなホワイトボードの看板が置かれていた


ガラス戸を開け中に入ると、正面に階段とその横にエレベーターがあり、左手に『制作部』とかかれた扉があった




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