隣人が世話焼きな件について
「ごめんね、佳香。佳香に『こなくていい』って言われて1週間我慢したんだけど、やっぱり俺は佳香のそばにいたいんだ」
こうちゃんが親指で私の涙を拭う
「佳香は俺のことずっと『お兄ちゃん』としか見てなかったから、ずっとお兄ちゃんでいたけど、佳香が生まれたその日からずっと男として好きなんだ。」
え?
こうちゃんが私を好き?
「佳香が嫌ならこれっきりにするから、思いっ切り突き飛ばして?」
そう言って重ねられた唇
ほんの数秒で離れたこうちゃんは困った表情をしている
きっと私の目から次から次へと大粒の涙が溢れているせいだ
「こうちゃん…私だってずっと…ずっとずっとこうちゃんが好きなんだよ?『妹』なんて嫌だ」
こうちゃんが私を抱きしめて頭をポンポンと叩く
「買い物してきたから一緒に佳香の好きなハンバーグ作ろう」
頭の上から聞こえた声
やっぱりこうちゃんは『世話焼き』だ
「どうせろくなもの食べてないんでしょ?」
と図星もついてくる
「それ以上痩せたら前と後ろが分からなくなるよ?」
そんな嫌味にAカップを気にしている私は反論できない…
2人で作ったハンバーグは今まで食べたどのハンバーグよりも美味しかった