隣人が世話焼きな件について
今ここで内々定が確定…
驚きを隠せない私と小木曽くんは言葉を発することができないでいた
「もちろん我々としても君達2人を逃したくはないからね、入社後には希望の店舗ーー小木曽くんは本店、田辺さんはK店への配属を約束する。」
K店は私が証明写真を撮った日下さんのいる店舗
本店はK店と本社の間のT駅の近くで、こうちゃんが働く高梨グループ本社の近くだったはず
「どうする?」
社長が穏やかな笑顔のまま問う
そんなの決まってる
『イエス』以外考えられない
私と小木曽くんは再度目を合わし頷く
そして「「お願いします」」と声を揃えて返事をした
社長が面接会場から先に退出し、残された人事部長の進行でその場で内々定承諾書というものを書き、内々定通知書を手渡しで受け取った
「ところで君達2人は今はバイトとかしてるの?」
人事部長が随分とリラックスした様子で聞いてきた
「僕は夜だけ居酒屋のバイトをしてます」
小木曽くんが先に答え、こちらを見る
人事部長も目線だけこちらに向ける
「私は就職活動のために3月でバイトを辞めたので今はしていません」
「2人とももし時間あるなら店舗で働かない?入社前だからアルバイト扱いにはなるけど、入社前に店舗でのある程度の動きを覚えてたら入社後の研修も楽だと思うよ」
「それにこれから七五三の前撮りで忙しくなるのに人手が足りてないんだよね」と苦笑しながら付け加える