隣人が世話焼きな件について
それでも所作は美しく理由を尋ねると大学時代に夏休みや春休みの長期休みにカメラに使うお金を稼ぐため高級旅館で住込みで仲居のバイトをしていたらしい
「寮費も水道光熱費も食費も0円だから2ヶ月で40万くらい貯まったわよぉ」
なんてケラケラと笑いながら芋焼酎の水割りのグラスを空にする
この日カメラの事で日下さんに言われたのは『空いてる時間はひたすらカメラを触りなさい』ということだけだった
次の日からスタジオが空いててる時間で手の空いてる時はひたすらに練習をした
日下さんも手が空いてる時は私の隣に立ちあれやこれやとアドバイスをしてくれた
だんだんわかってくると面白くなってきて、ついに貯めてたバイト代で一眼レフを買ってしまった
カメラを買ったその日から家の中でも外でもあーでもないこーでもないとひとり言をぶつぶつ言いながら撮りまくる
「佳香…そんなに見つめられると我慢できなくなるんだけど」
え…?
夕飯の後にいつものようにリビングのソファで並んで座り、カメラを買ってから毎日のように勝手にこうちゃんをモデルに写真を取り続け1週間程…
カメラを構えたままいつの間にかソファに組み敷かれる
え?
え!?