隣人が世話焼きな件について


このまま佳香と離れるなら最後にきちんと自分の想いを伝えよう



そう決心して、スーパーで佳香の好物のハンバーグの食材を買って佳香の家に向かう






佳香の家の前に着くとまだ電気はついていなかった


合鍵で鍵を開けドアを引くと玄関に靴はあるので、中にはいる


中に入り、リビングの電気をつけるとソファで膝を抱えた佳香がこちらを振り返った




「佳香…」


佳香の瞳から涙が溢れ頬を濡らしていた


1週間で少し痩せた?




佳香の前まで歩を進め跪く





「ごめんね、佳香。佳香に『こなくていい』って言われて1週間我慢したんだけど、やっぱり俺は佳香のそばにいたいんだ」



ずっと我慢していた『想い』を口にする





「佳香は俺のことずっと『お兄ちゃん』としか見てなかったから、ずっとお兄ちゃんでいたけど、佳香が生まれたその日からずっと男として好きなんだ。」


でももうお兄ちゃんではいられない





「佳香が嫌ならこれっきりにするから、思いっ切り突き飛ばして?」




そう言って佳香の唇にキスをする



全力で突き飛ばしてくれたらもう2度とここには来ない




佳香に突き飛ばされることなく顔を離すと佳香の瞳からはさっきよりも大粒の涙がポロポロと溢れていた




ねぇ突き飛ばさなかったってことは俺のこと嫌じゃないってこと?






「こうちゃん…私だってずっと…ずっとずっとこうちゃんが好きなんだよ?『妹』なんて嫌だ」




初めて正面から佳香のことを抱きしめる



なんだ佳香も俺と同じこと思ってたのか





< 5 / 66 >

この作品をシェア

pagetop