隣人が世話焼きな件について


途中までしか記憶にないとは言え、自分が仕出かした粗相に言葉を失い俯く


「新井専務は一緒に飲む相手を潰して楽しむだけだけど、あれが違う人だったら、俺がたまたま通りかからなかったらどうなってたか…」



こうちゃんの言葉に想像してゾッとする



「…気を付けます」


消え入りそうな声をなんとか絞り出す





ひとつ息を吐いて「食べよう?」とこうちゃんが促す


顔を上げるといつものこうちゃんの微笑み


おずおずとお椀を持ち上げ啜る



温かい大根のお味噌汁はすんなりと喉を通り体の中からじんわりと温まる






朝食を終えてから再び自室のある2階まで上がる気力はなく、ソファに倒れこもうとするとこうちゃんに髪乾かさないと風邪引くよ?と言われ濡れたままだったことを思い出す


そのままソファに倒れ込みたい気持ちは山々だったけど、これ以上こうちゃんを怒らせるのはマズイと本能的に体は洗面所へ向かう



こんな時髪が短ければ楽なのに…と思う

でもクセ毛がひどく肩より短くしようもんなら収集がつかなくなる

長ければ緩いウェーブになり友達にも羨ましがられるのに…


高校の時にクセ毛が嫌でヘアアイロンで30分かけてサラサラストレートにしてみたことがあるけど、それも1時間ももたなかった



二日酔いに加えてなかなか乾かない髪にイライラする


もういいや…


半乾きだけど、ドライヤーを止めリビングへのそのそと戻りソファに倒れ込む




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