隣人が世話焼きな件について


ソファに横になり丸まっているとこうちゃんが薄手の毛布を掛けてくれ、ペットボトルのお水をローテブルに置いてくれた


やっぱりこうちゃんは優しくて世話焼きだ


「ありがとう」と頭に響かないように小さな声でお礼を言う


「じゃあ行ってくるから、ちゃんと休むんだよ?」

「いってらっしゃい」

小さく言うと一度だけ私の頭を撫でて出ていった


こうちゃんが掛けてくれた毛布に包まり、再び眠りの世界へ入る





次に目を覚ますと日がだいぶ高く、こうちゃんが置いていってくれたペットボトルの水を飲みながら時計を確認すると12時30分を過ぎたところ


随分と寝てしまったようだ


そのおかげか二日酔いは吐気はもうなくて頭痛が少し残っている程度


吐気が治まると空腹にも気付く


そう言えばこうちゃんがおにぎり作っといたって言ってたなと思い出しキッチンへ行く


おにぎりが2つと漬物と卵焼きがひとつのお皿に乗ってラップがかけられていた


卵焼きまで置いといてくれたことに思わず頬が緩む


ダイニングテーブルに移動し、おにぎりを一口齧ると中からは焼き鮭が顔を出した


朝の私を見て食べれないと判断してわざわざ焼き鮭を解しておにぎりにしてくれたんだ



こうちゃんの愛のこもった優しさと美味しいおにぎりに思わず笑みを零し、全部をペロリと平らげた




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