隣人が世話焼きな件について


「昨日は二日酔いで死んでましたが、大丈夫でしたよ」


私の返答にホッと息をつき、すぐにニヤニヤとした表情になる


「彼氏、忍者なんだって?」


「は?」


忍者?


こうちゃんて忍者だったっけ?

いやいやこうちゃんは高梨グループの社長秘書ですが…


心の中で自問自答する私の顔は相当マヌケだったに違いない


「『職業柄、身内の関わる人物を調べてて会社の社長に近い存在なんて忍者かよ』って蒼介が言ってたのよ」


なんじゃそりゃ戦国時代かよっと心の中で盛大に突っ込む


秘書と忍者…似てるのかなー


「彼氏の仕事は秘書ですよ」


呆れながら言うと店長は「なるほどー」と納得している


「でも面白いんで忍者ってことにしといてください」


ニヤニヤと提案する私に「そうね」と不敵な笑みを浮かべる店長



小さい頃は忍者の真似とかしたよなぁ



小学校に上がる前に私の家族とこうちゃんの家族で忍者屋敷に行ったこともあったなぁ…


夢中になりすぎた私は迷子になって、そんな時に見つけてくれるのは決まってこうちゃん


心細くて泣いていた小さい私の涙を拭いて手を繋いで家族の元まで連れてってくれる





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