隣人が世話焼きな件について
杏さんが戻ってきてラグビー場への道すがら、レンズの説明を受ける
前にも使わせてもらったことがあるものから初めて見るものまで数種類のレンズに興奮しながら話を聞く私もすっかりカメラ馬鹿の仲間入りだ
ラグビー場の撮影も滞りなく進み、全ての撮影が無事終わり酒井くんとご飯に行くらしい杏さんを残し、こうちゃんと2人でラグビー場を後にする
手を繋ぎ駅までの道を歩く
「せっかくだからご飯食べてこっか」
とこうちゃんからの提案
久しぶりのこうちゃんとの外食に嬉しくて「うん!」と答えてつい繋いでいる手をブンブン振ってしまう
それでも怒らずに手をされるがまま振られてくれるこうちゃんはやっぱり優しい
駅前の居酒屋で2人でビールで乾杯し、今日の撮影の報告や杏さんと酒井くんの話をして食事を楽しむ
こうちゃんが適当に頼んでくれたお料理はどれも私の好きな物ばかりで、やっぱりこうちゃんは世話焼きだと思ってつい笑ってしまった
結構長居をして店を出ると駅とは逆方向の信号で杏さんと酒井くんが手を繋いで信号待ちしているのを発見した
私の視線を追ってこうちゃんもそれに気付き、「良かったね」と言って私の手をとり駅に向かって歩き出す
私の喜びを分かちあってくれるこうちゃん
色んなことが嬉しくて涙を流す私にハンカチを差し出してくれるこうちゃん
やっぱりこうちゃんは優しくて世話焼きだ