マーメイドはホテル王子に恋をする?!
お互いに乱れきった呼吸を繰り返したまま見つめ合った。
私は彼のことが本当に好きだと心底思う。だけど、彼の真意はわからない。
どうしてこんなに熱いキスをしてくるのか。
一従業員の私を自分の執務室で弄びたいだけなのか。
「どうして…」
そう聞きかけても声は出せずに口籠る。
社長に本気になって下さいとか、口が裂けても言える立場ではないのだ。
「花梨……」
名前を呼ぶなんてズルいよ社長。
それが貴方の常套手段だとわかっていても、私の胸には嫌になるくらい突き刺さるのに。
「…………」
何も言い返せないまま涙が一筋溢れていった。
ハッとした顔で見守る彼に、これ以上無いくらいの思い出を残しておきたい。
「……潤也」
涙に暮れながら彼のことを呼んでみた。
向けられた眼差しを見つめ返し、そっと優しく両手で頬を包み込む。
(好きなの…)
声にならない思いを唇の先に落としながら、優しく、愛おしい気持ちを込めて深いキスを自らした。
彼はされるがまま私のキスに応じてくれた。
多少なりともウットリはしてくれただろうか…と思いながら離れ、小さく笑って彼を見た。
一瞬だけ表情を固くした彼は何も言わずに瞬きを繰り返した。
その彼に思いを残したまま「仕事に戻りますね」と言い渡して部屋を出た。
私は彼のことが本当に好きだと心底思う。だけど、彼の真意はわからない。
どうしてこんなに熱いキスをしてくるのか。
一従業員の私を自分の執務室で弄びたいだけなのか。
「どうして…」
そう聞きかけても声は出せずに口籠る。
社長に本気になって下さいとか、口が裂けても言える立場ではないのだ。
「花梨……」
名前を呼ぶなんてズルいよ社長。
それが貴方の常套手段だとわかっていても、私の胸には嫌になるくらい突き刺さるのに。
「…………」
何も言い返せないまま涙が一筋溢れていった。
ハッとした顔で見守る彼に、これ以上無いくらいの思い出を残しておきたい。
「……潤也」
涙に暮れながら彼のことを呼んでみた。
向けられた眼差しを見つめ返し、そっと優しく両手で頬を包み込む。
(好きなの…)
声にならない思いを唇の先に落としながら、優しく、愛おしい気持ちを込めて深いキスを自らした。
彼はされるがまま私のキスに応じてくれた。
多少なりともウットリはしてくれただろうか…と思いながら離れ、小さく笑って彼を見た。
一瞬だけ表情を固くした彼は何も言わずに瞬きを繰り返した。
その彼に思いを残したまま「仕事に戻りますね」と言い渡して部屋を出た。