マーメイドはホテル王子に恋をする?!
多少の不満は抱えていても楽な仕事だからいいかと思い、それを変えようとはしないでいた。
だけど、社長に出会ってからは自分も変わろうと決めた。
いつか彼の隣に立っても恥ずかしくない女性になり、何処へ行っても笑い合える人間でいようと努力を続けている。
でも、相変わらず上司と部下のままだ。
恋人としての時間は持てても立場はそこから発展しない。
何処まで頑張れば変われるのか。
この先もずっと、この関係のままなのか……。
「あーあ。虚しいな」
自分の声がチャペルに反響する。
式の予約は週末の度にあり、幾つもの夫婦がこの場所で誕生していく。
それを羨ましい眼差しで見つめなくてはいけない。
自分には新婦のようなゴールがまだ見えないーーー。
「あーあ……」
考えると気持ちが滅入ってくる。
休憩も程々にしてさっさと仕事に戻ろう。
ベンチから立ち上がり、バージンロードを出入り口に向かって歩きだす。
一人で歩くバージンロードか。
何だかやり切れないなぁ……。
力なく微笑んで出入り口の真鍮のドアノブに手を掛けた。
それをスライドさせるように左に引けばドアが開いて外に出られる。
ぎゅっと握って開けようとした。
ところが、私が明ける前にドアが開いた。
「あっ………社長!」
ビックリした。
チャペルの点検でもしに来たのか。
だけど、社長に出会ってからは自分も変わろうと決めた。
いつか彼の隣に立っても恥ずかしくない女性になり、何処へ行っても笑い合える人間でいようと努力を続けている。
でも、相変わらず上司と部下のままだ。
恋人としての時間は持てても立場はそこから発展しない。
何処まで頑張れば変われるのか。
この先もずっと、この関係のままなのか……。
「あーあ。虚しいな」
自分の声がチャペルに反響する。
式の予約は週末の度にあり、幾つもの夫婦がこの場所で誕生していく。
それを羨ましい眼差しで見つめなくてはいけない。
自分には新婦のようなゴールがまだ見えないーーー。
「あーあ……」
考えると気持ちが滅入ってくる。
休憩も程々にしてさっさと仕事に戻ろう。
ベンチから立ち上がり、バージンロードを出入り口に向かって歩きだす。
一人で歩くバージンロードか。
何だかやり切れないなぁ……。
力なく微笑んで出入り口の真鍮のドアノブに手を掛けた。
それをスライドさせるように左に引けばドアが開いて外に出られる。
ぎゅっと握って開けようとした。
ところが、私が明ける前にドアが開いた。
「あっ………社長!」
ビックリした。
チャペルの点検でもしに来たのか。