マーメイドはホテル王子に恋をする?!
「何でもいいが、その後ろの壁に貼ってあるポスターを外せ!田舎の旅館にしか見えん!」
くるっと後ろを振り向いてみれば、ホテルから三十分以上離れた場所にある観光名所の写真入りポスターが貼ってある。
「このホテルグループのテーマは、『何度も訪れたくなる場所』だ。それに相応しくない物は貼るな」
全く以てその通りですよ。
私もこの空間に慣れ過ぎていたから、(と言うか最初からこの雰囲気だったんだけど)深く考えもしなかったです。
「……ったく、誰よ、こんな所にこれを貼った人……」
いい迷惑だと思いながら壁に押されたピンを外す。
さっき聞いたテーマにそぐわない物は他にないだろうかと思い、脚立の上に乗ったまま辺りの壁を見回した。
「マーメイドちゃん、キョロキョロしてたら危ない」
大川主任の声に振り返った時だ。
バランスを崩しかけて、思わず足を滑らせそうになった。
「危ないっ!」
主任のバリトンボイスが響き、私はガシッと脚立にしがみ付いた。
「セーフ…」
はぁ〜と深いため息を吐き出し、ゆっくりと足元の床へと下りた。
「高い場所の物を外す時は男性にお願いするようにして。若い女子がやるものじゃないよ」
だけどー、新社長が外せって言ったんですよ…とは言えもせず、大人しく「はい…」と呟いた。
くるっと後ろを振り向いてみれば、ホテルから三十分以上離れた場所にある観光名所の写真入りポスターが貼ってある。
「このホテルグループのテーマは、『何度も訪れたくなる場所』だ。それに相応しくない物は貼るな」
全く以てその通りですよ。
私もこの空間に慣れ過ぎていたから、(と言うか最初からこの雰囲気だったんだけど)深く考えもしなかったです。
「……ったく、誰よ、こんな所にこれを貼った人……」
いい迷惑だと思いながら壁に押されたピンを外す。
さっき聞いたテーマにそぐわない物は他にないだろうかと思い、脚立の上に乗ったまま辺りの壁を見回した。
「マーメイドちゃん、キョロキョロしてたら危ない」
大川主任の声に振り返った時だ。
バランスを崩しかけて、思わず足を滑らせそうになった。
「危ないっ!」
主任のバリトンボイスが響き、私はガシッと脚立にしがみ付いた。
「セーフ…」
はぁ〜と深いため息を吐き出し、ゆっくりと足元の床へと下りた。
「高い場所の物を外す時は男性にお願いするようにして。若い女子がやるものじゃないよ」
だけどー、新社長が外せって言ったんですよ…とは言えもせず、大人しく「はい…」と呟いた。