マーメイドはホテル王子に恋をする?!
ホテルの内装やインテリアについて学び直して来いと社長に言われ、一週間程度の研修に参加させられている主任。
社長が来なければ、私の人生最大のピンチは訪れなかったのに。
ハラハラした思いを胸に秘めたまま、ヤンキー達と一緒にエレベーターの中へ入った。
「閉」のボタンを押したくないけれど、押さなくてもドアはいずれ閉まってしまう。
(えーい、一か八かだ!)
ナムアミダブツ…と心で唱えながらドアを閉めた。
私の背後に立つ男性達の視線が怖い。
三階まではたったの数秒間だけど、一分以上の長さにも思えた。
ポォーン…と到着を知らせる音が鳴り響き、ハァ…と深い安堵の息を吐く。
「三階でございます。お部屋はここを出られてから右へ曲がり、真っ直ぐに進まれた一番奥でございます」
エレベーターのボタンパネルの側から離れず説明をした。
ゾロゾロと数人が出て行き、残るはリーダーともう一人という時。
「ねぇ、ちゃんと案内してよ。これがここのホテルの流儀なの?」
本来、流儀とかないよ。忙しい時は客室の案内なんて行けないくらいなんだから。
「ねー、せめて一緒に出てくれない?指で指し示すくらいのサービスできるでしょ?」
そんなことしたくありません!とか、口が裂けても言えない。
ドックン、ドックン、と心臓が嫌な音を立て始める。
社長が来なければ、私の人生最大のピンチは訪れなかったのに。
ハラハラした思いを胸に秘めたまま、ヤンキー達と一緒にエレベーターの中へ入った。
「閉」のボタンを押したくないけれど、押さなくてもドアはいずれ閉まってしまう。
(えーい、一か八かだ!)
ナムアミダブツ…と心で唱えながらドアを閉めた。
私の背後に立つ男性達の視線が怖い。
三階まではたったの数秒間だけど、一分以上の長さにも思えた。
ポォーン…と到着を知らせる音が鳴り響き、ハァ…と深い安堵の息を吐く。
「三階でございます。お部屋はここを出られてから右へ曲がり、真っ直ぐに進まれた一番奥でございます」
エレベーターのボタンパネルの側から離れず説明をした。
ゾロゾロと数人が出て行き、残るはリーダーともう一人という時。
「ねぇ、ちゃんと案内してよ。これがここのホテルの流儀なの?」
本来、流儀とかないよ。忙しい時は客室の案内なんて行けないくらいなんだから。
「ねー、せめて一緒に出てくれない?指で指し示すくらいのサービスできるでしょ?」
そんなことしたくありません!とか、口が裂けても言えない。
ドックン、ドックン、と心臓が嫌な音を立て始める。