マーメイドはホテル王子に恋をする?!
「今日は彼氏とデート?」
冗談じゃない。
この人は暴君社長だ。
「いえ、あの…」
冷や汗がダラダラ出そう。
恐ろしくて社長の顔も拝めない。
「鄙には稀なイケメンじゃないの。いいわね〜、若い人は」
ちょっと聞いてよ!…と言うか、それは社長に失礼ではない?
「あ、あの、この人は彼氏じゃなくて…」
何とか誤解を解こうとしたが、それを社長の手が阻んだ。
「宜しく。小山内と言います」
肩を掴まれ、止めろ…とばかりに自分から名乗っている。
おばさんは社長の顔をまじまじと見つめ返し、「やっだ〜。いい男!」と嬉しそうにしながら去って行った。
こんなことをされては困る。
私はそれでなくても、結構な割合で顔を知られているのに。
「社長…」
弱り顏で振り向くと、何も知らない彼は平気そうに言い放つ。
「いいから。今日は上司と部下じゃなくて、恋人同士ということで通そう。その方が地元の人達にも溶け込み易いみたいだ」
ほら行くぞ、と言いながら肩を掴んだまま歩き出す。
ドクン!と跳ねる心臓の音に戸惑いながらも、そのままの状態で駅舎内に入った。
入ればやっぱり注目の的になり、私もともかくだけど、社長が半端なく注目されている。
買い物中の主婦がカゴを手にしたまま呆然と突っ立つ。
冗談じゃない。
この人は暴君社長だ。
「いえ、あの…」
冷や汗がダラダラ出そう。
恐ろしくて社長の顔も拝めない。
「鄙には稀なイケメンじゃないの。いいわね〜、若い人は」
ちょっと聞いてよ!…と言うか、それは社長に失礼ではない?
「あ、あの、この人は彼氏じゃなくて…」
何とか誤解を解こうとしたが、それを社長の手が阻んだ。
「宜しく。小山内と言います」
肩を掴まれ、止めろ…とばかりに自分から名乗っている。
おばさんは社長の顔をまじまじと見つめ返し、「やっだ〜。いい男!」と嬉しそうにしながら去って行った。
こんなことをされては困る。
私はそれでなくても、結構な割合で顔を知られているのに。
「社長…」
弱り顏で振り向くと、何も知らない彼は平気そうに言い放つ。
「いいから。今日は上司と部下じゃなくて、恋人同士ということで通そう。その方が地元の人達にも溶け込み易いみたいだ」
ほら行くぞ、と言いながら肩を掴んだまま歩き出す。
ドクン!と跳ねる心臓の音に戸惑いながらも、そのままの状態で駅舎内に入った。
入ればやっぱり注目の的になり、私もともかくだけど、社長が半端なく注目されている。
買い物中の主婦がカゴを手にしたまま呆然と突っ立つ。