マーメイドはホテル王子に恋をする?!
深みに嵌るマーメイド
お昼は同級生の弟が経営する割烹料亭で食べた。
ここは町民の間でも人気で、地元の魚や貝は勿論、社長が味を気にしていたイカもお刺身で出される。
その他にも地元の食材をふんだんに使った料理がいろいろと並び、私にはどれも馴染みの深いものばかりだけれど、都会育ちの社長にはかなりの感動があった様子で。
「美味い!臭みがまるで無い!」
絶賛しながら仲居を務める料亭の奥さんにあれこれ質問をしていた。
実はこの人は同級生の弟の奥さんで、私の高校時代の後輩だったりする。だから、社長が不用意に私を「花梨」と呼び捨てにするのを聞いて、すっかり彼氏だと思ったらしく……。
「マーメイド先輩が彼氏を連れてきた!」
厨房で話したものだから、従業員がコソコソと様子を見に来る始末で。
(参るな。これだから此処には来たくなかったのに)
別にもう一軒ある食堂へ行こうかと思っていたのだが、今日は生憎と定休日だった。
それで仕方なくこの料亭に電話をしたら二つ返事で引き受けてくれたのだが、最後の鯛茶漬けまで美味しく食べきった後で、同級生の若松君までが現れてーー
「妹が橋本の彼氏がイケメンだと言うから見に来た」
あんたどれだけ耳が早いんだよ。今日は営業に回ってなかったのか。
「あのね、この人は彼氏じゃ…」
ここは町民の間でも人気で、地元の魚や貝は勿論、社長が味を気にしていたイカもお刺身で出される。
その他にも地元の食材をふんだんに使った料理がいろいろと並び、私にはどれも馴染みの深いものばかりだけれど、都会育ちの社長にはかなりの感動があった様子で。
「美味い!臭みがまるで無い!」
絶賛しながら仲居を務める料亭の奥さんにあれこれ質問をしていた。
実はこの人は同級生の弟の奥さんで、私の高校時代の後輩だったりする。だから、社長が不用意に私を「花梨」と呼び捨てにするのを聞いて、すっかり彼氏だと思ったらしく……。
「マーメイド先輩が彼氏を連れてきた!」
厨房で話したものだから、従業員がコソコソと様子を見に来る始末で。
(参るな。これだから此処には来たくなかったのに)
別にもう一軒ある食堂へ行こうかと思っていたのだが、今日は生憎と定休日だった。
それで仕方なくこの料亭に電話をしたら二つ返事で引き受けてくれたのだが、最後の鯛茶漬けまで美味しく食べきった後で、同級生の若松君までが現れてーー
「妹が橋本の彼氏がイケメンだと言うから見に来た」
あんたどれだけ耳が早いんだよ。今日は営業に回ってなかったのか。
「あのね、この人は彼氏じゃ…」